【その他】ゆかちゃんとダーツ、シュッシュッ
何か刺激的な、予想外な体験をすることで自分の世界が広がるというのは、得てして興味深いものですよね。
少し前の話をします。
今から数年前、僕がユニクロの店員をしていた頃の話です。職場の後輩に「ゆかちゃん」という、大学卒業して入社してきた人がいました。
ゆかちゃんは、真面目で頑張り屋さんで目鼻立ちがはっきりした、中身も外見も美人さんでした。元気で明るい性格のように見受けられましたが、まっすぐな性格であるので「だまそうと思えばだませそう。。。」とも思う人でした。
職場の後輩ではありますが、100人規模の組織だったと言うこともあり、接点がほとんどなく、僕が退職するまでに彼女とは仲間内として2回くらい遊んだことがあるくらいです。
ただそのうちの1回については、僕はいまだに思い出すと「あれはすごかったな」と震える出来事が起こりました。その内容について書いていきます。
とあるとき、仲間内4人(ゆかちゃん含む)で、仕事終わりにお酒を飲みに行って、その流れでダーツをしようとなりました。
僕はダーツは漫画喫茶で何回か遊んだことがあるくらい。遊び方を知っているが狙ったところには全然当たらない、というレベル。友人たちも同程度でしたが、ゆかちゃんは「ダーツは初めて」というレベルでした。
当時の僕の感覚では率直に言って、「あれ、ゆかちゃん大卒だよね?22歳くらいでダーツの経験がないんだ。。。?」と違和感を感じたのを覚えています。大卒ならダーツの経験がある、というのは今思えばしょうもない固定観念です。年齢問わず、全世界のダーツ未経験者に謝罪します。
そんな固定概念があったことを認識してもらいながら続きをご覧ください。
ところで皆さん、ダーツをされたことはありますか?
ダーツの最初の一投を投げるときの動作ってイメージしてもらえますか?
僕が思う、ダーツの投げる手順を書いてみますね。
1:自分の投げる番になったら、立ち上がる(スクッ)
2:ダーツの矢を持ち、的に近づいていいギリギリの線のとこまで歩く(スタスタ)
3:ギリギリの線のギリ手前に足を置き、的を見て構える(スチャ)
4:的のどこを狙うかを定め、投げるふり(予備動作)を何回かやる(シュッシュッ)
5:狙う場所に当たるよう祈りながら投げる(シャッ)
以上です。
つまり音で言うと、「スクッ、スタスタ、スチャ、シュッシュッ、シャッ」ですよね。
この感覚、僕の中でいえば「みんながそうやって投げるもの」って思っているやつなんですよね。当然、僕自身もそうやって投げます。
ゆかちゃんは初めてのダーツですが、4人でダーツをしたので確か3番目か4番手のプレイ順でした。なので、前の人たちの投げ方をみることができます。まぁ、その時はお酒も入っていたりしてゆかちゃんが前の人の投げ方を見ていたかどうかはわかりません。
それで、ゆかちゃんの番になりました。すくっと立ち上がりまして、スタスタと歩かれます。初めてだという事前情報に違和感があるくらいにはスムーズな足取りです。
そして次の動作として「スチャ、だな」と思ったその瞬間。
彼女は矢を手から離しました。
シャッ!
「ピュン」(ダーツが当たったときの機械音)
。。。え!?
ん、ん???
シャッ?
え!?
シャッ?
スクッ、スタスタの後、
シャッ!?
え、スチャとシュッシュは??
え、予備動作は?いらないの?
え、なんか変なところに刺さってるけど?上手いから予備動作がなかった、というのではないのね?
え、スタスタからのシュッもめっちゃ早かったけど?
てか、前の人の動きを真似しようとか、誰かに相談してから投げるとかはないんだ?
僕の頭は大混乱です。
「そんな投げ方をする人がいるんだ?」という発見感がすごいです。新鮮な衝撃です。めっちゃ笑ったのを覚えています。今思えば失礼なやつですね。
そして、今思えば、ゆかちゃんは忍者っぽいですね。ダーツと言うより忍者の手裏剣みたいなことだったんじゃないだろうか。
まぁ伝えたい場面を文章で説明したり、当時の僕の衝撃を伝えるのは非常に難しいことはわかっていて、読者の皆さんに伝わってない気しかしないのですが、ダーツの矢を持って立ち上がり、的の近くまで歩いたら予備動作なしで矢を投げる。この衝撃。
繰り返しですけど、ゆかちゃんは普段は真面目で頑張り屋さんですからね。ギャップ萌えみたいな感情もありました。
今思い出しても感動できる、そんな経験をさせてもらったなーと。
ふと、そんなことを書きたくなったのでした。
そんなこんな。
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